第6回「誰のためのデザインか?」 。チラシ制作のためのフリーソフト活用方法

チラシの作り方をフリーソフトを使って解説

広告クリエイターによるコラム「売れるチラシを考える」

第6回「誰のためのデザインか?」

チラシに限らず、様々な広告物をデザインするとき、私はいつも注意していることがあります。それは「誰のためにデザインしているのか?」ということ。デザイナーという職業はとてもアンバランスな側面があります。美術大学やデザイン学校で学んでデザイナーになる人が多い世界ですが、「自分の表現欲を満たしたい」という想いを強く持っている人が多いのです。また、デザインという個人の主観によって価値が変動しそうなものを「商品」として利益を得ている広告制作会社は、クライアントの担当者の好みをいかに把握し、満足させるか、に終始していることも少なくありません。

しかし、本当にあるべき広告デザインとはどんなものでしょうか?芸術的な表現の追求ではないですし、ましてや自分の好き嫌いで決めるべきものでもありません。

広告デザインとは、デザイナーのものでもなく、クライアント担当者のものでもなく、その広告をみたり手にしたりする「エンドユーザーのため」に制作されるべきであることは間違いありません。

そのデザインは、わかりやすく構成されているだろうか。
そのデザインは、商品のイメージを正確に伝えられるだろうか。
そのデザインは、購買意欲に結びつくだろうか。

エンドユーザーは、広告物に感動は求めていません。求めているのは、自分の知りたい(知っておきたい)情報があるかどうか、です。 ごく基本的なことではあるのですが、私のようにプロでやっているデザイナーでも日々気をつけないといけないくらい、落とし穴にはまりやすいことなのです。